中也祭




誰も語らなかった中原中也 (PHP新書)

誰も語らなかった中原中也 (PHP新書)


名言中原中也―生誕100周年記念企画

名言中原中也―生誕100周年記念企画

こういう買い物をするとネットって恐ろしいですねっつー気分になるよ。

それはさておき。

取り敢えず、『名言 中原中也』だけ先ず読んだ。

中也が言った言葉が一言と、それを言ったシチュエーション説明というか突っ込みが載ってるのだけれども、これが凄い。

世に云うツンデレ的な面倒臭い奴が大好きな人が泣いて喜ぶよ。


「君は俺に対してバカていねいな言葉をつかうな、俺はそのていねいな言葉というヤツが大嫌いなんだ」

中也は傍若無人な振る舞いをすることがあった。

生涯を通じて付き合うことになる高森文夫と初対面のとき、丁寧に話す高森に対して、吐き捨てるようにこう言った。


「ぜひあそびにきてくれ、俺は淋しくてたまらないんだ」

その後、突っかかるような話し合いになったが、帰り際、中也は自分の下宿の略図を細かく書いて高森に渡した。

こう言い残し、深い雪の中を帰っていった。

さびしがり屋の性格がよく現れている。

初手でツンツンしておいて帰り際にデレる。

素晴らしい。実に素晴らしいなあ。

ただこの本、巻末に参考引用文献は載ってるけど、どの言葉ををどこから引っ張ってきたか判らないのよね。

カユい所に手が届かない。むー。