最終目的地 ★★★★★

生前1作しか作品を残さなかったとある作家の自伝を書く為、遺族の“公認”を貰いに南米へ行く話。
この遺族というのが、妻・愛人(&娘)・兄(&情人)で、妻と愛人とその子供は一つ屋根の下に暮らしていて、兄の情人は男性という構成。
世間と隔絶した家で身動きが取れなくなって頑なになっている妻、思うところはあるものの飲み込んでただそこにいる愛人、公認はすんなりくれたものの違法取引を持ちかける兄。
ついでに何かと支配的な自分の恋人。
さあどうする!
どうするもこうするもない訳ですが。
絵がとにかく美しい。
言葉にすりゃ陳腐になるけれども生活感があるようなないような幻想的なようなそうでないような。
兄アダム(サー・アンソニー・ホプキンス)とピート(真田広之)の佇まい。
日本公開で真田推しになってるからまんまと ホモ映画でございます みたいな体になってて、これいざ観たら「居たね、そういえば」レベルなのかと思ってたんだ。
ちゃんと役貰ってた。
聞けば原作でタイ人のところを真田広之に役振りたくて日本人に改変したとか。
そりゃあれだけ格好良く美しく撮って貰ったはずだよ。


以下腐。










ピートが14歳の時に徳之島で見初めて養子にしてイギリスに連れ帰って学校に行かせて事業をやらせて、ってハーレクインよなあ。
しかし両親を亡くしてるとはいえ、14歳なんて微妙な年頃に養子にされてほいほい海外へ連れて行かれる環境ってどんなんですかね。
そもそもどうやって出会ったのか。
ゲスいですけれども、ピートが何歳の時に手を出したのか。アダムの年齢設定判らないですけど親子ほど離れてますよたぶん。
原作ではその辺に触れてるのかしら。

それはそうと。
ピートはアダム大好きな訳だけれども、それはいつからなんだろうか。
初めから「この人大好き!ついて行きたい!」になるかね。
両親亡くしてあんまり良くない環境で暮らしてて「もう、どーにでもなーれ」の心境で渡英して色々面倒見てもらったり触れられたりしてるうちに、ある日ふと「あ、自分この人好きなんだな」って思ったりするのか。

あと、朝、ピートが全裸でアダムはしっかり着込んでるっていうシーンがあったんですけど、あれ凄く良いです。
アダムはもう年も年だしピートに対して盆栽を丹精する感覚に近いのかな。

そういうBL寄りの嗜好がなくとも、派手さはないですけれど画面も話も美しいので是非色んな人にスクリーンで観て欲しいなあと思いました。
お友達にも教えてあげてお友達も綺麗にしてあげましょう。